NPO10周年!感謝!!

 特定非営利活動法人C,A,ワークスは10月3日で設立から10周年を迎える。

 我ながらよう頑張った。

 おれ自身が芸術で救われた人間だから、芸術がみんなにとって、もっと身近なものになればいいな、生きるよすがになればいいな、と思って設立したNPOだ。設立登記する時に法務局の係の人に『社会教育系のNPOは難しいから潰しちゃダメだよ』と言われた。これからやろうって人間に景気の悪いこと言いやがってとムッとしたが、年を重ねるごとに係のおっさんの言ったことが骨身に沁みてわかるようになった。

 2年前に一宮スタジオを作ってからは活動拠点ができたが、それまでは公民館や公共のホールを借りて、ワークショップや芝居を打っていた。会場費もバカにならなかった。芸術に触れよう、ワークショップに身を晒してみようと思う人間なんて、この世にいないんじゃないかと思うくらい参加者集めの厳しかった時期があった(今でも相変わらず集客はラクではないが)。

 それでも陣取りゲームのように少しずつだがやれること、参加してくれる人を増やして、なんとか今日までやってきた。

 コアなメンバーの入れ替わりがなかったことも奇跡だ。10年という長い年月、同じ方向を向いて活動してもらえる仲間と出会えたことは・・・ありがたいよね。うん。ホントに、ありがたい。

 10年もやってりゃあ、照る日もあれば降る日もある。

 ちょうど一宮スタジオを作った年におれの母親が死んだ。スタジオのできた記念式典で、おれ、満面の笑みを浮かべていたけけど、まだ母親が死んでから1か月も経ってなくて、眠れなくなって、心の中はぐっちゃぐちゃで、スタジオが完成した頃はホントにシンドかった。そういう時に助けてくれたのがコアなメンバーだった。気持ちの整理もつかない、現実的にやらなきゃならない手続きやら何やらも山積みになっている、学校の仕事だって穴開けないようにやらないといけない、その上、スタジオもなんとか作りきらないと。それに、それに・・・ギャア!ってなってたおれといっしょに、彼らはやってくれた。愛想つかさずに、見捨てずに、いっしょにいて、やってくれた。ありがたいな、これが人の情ってものかって、大袈裟でなく思った。

 だからね、おれは決めてるんだ。おれはコアなメンバーが困ってたら必ず駈けつける。力を貸す。シンドそうにしていたら待つ。ゆっくりやろうよって言う。構えなくても大丈夫だ、ダメダメでも大丈夫だって言う。だっておれらそうやって10年、やってきたじゃないかって。おれがダメダメな時もいっしょにそうやってやり続けてくれたじゃないかって。そうしようって決めてるんだ。

 おれ、人見知りだし、すぐ身構えちゃうし、一人っ子だし、なかなか人に気を許せない。いろんなこと不安なくせに、不安な分だけ強がっちゃう。だからね、こんなふうに思える相手ができたこと、それだけでもNPOを10年続けてきた甲斐があるってもんだ。