観に来てください

ブログをお読みくださっている皆様。今日は伏してお願いです。

明日から一宮スタジオで演劇公演を行います。是非観に来ていただきたく、お願いのブログを書いています。

タイトルは「月の光」と言います。私が、作・構成・演出を務めます。

私にとって、今回の公演は、どうしても満席にして公演を打ちたいのです。

以下にその理由を書きます。

1 父親の遺品の中にあった手紙が原作の大元になっている点

 父の遺品を整理していたら1通の手紙が見つかりました。父は小学校の時から毎日欠かさず日記をつけていました。膨大な量の日記が、遺品として残されていました。怖くて読めないので、日記自体は読んでいません。ですが、日記の束の傍らに「日記とともに保管」と書かれた箱があって、その中に1通の手紙が入っておりました。手紙はその1通しか残されていませんでした。父にとってその手紙は、きっと大切なものなのだろうと私は直観しました。私はその手紙の封を開けました。封の中には、わら半紙が3つ折りになって入っていました。鉛筆書きの、丁寧な女文字でびっしりと文字が連ねてありました。私は夢中になって父宛ての手紙を読みました。暑い夏の午後のことで、私の汗がわら半紙の上に何度も滴り落ち、鉛筆書きの文字が滲んだのを覚えています。私はその手紙の内容を朗読にし、次いで今回の芝居にしました。父は私が30代の時に他界しました。私にとっては、怖いけれども、尊敬できる父親でした。演劇劇鑑賞会の活動と労働運動を生きる軸として生涯を送った男でした。裕福な造り酒屋の次男に生まれた父が、戦後いかにして自分の生き筋を定めて行ったのか、この芝居を作りながら私はずっと考えておりました。自分の父親、そしてまつわる人々を素材とした芝居なのです。個人的な、全く個人的なことですが、身を切るようにして作った、所謂私小説のような芝居なのです。多くの方に観ていただきたい理由の一つ目です。

2 実験的な公演である点

 一宮スタジオは小さな小さなスタジオです。20人も入れば満員になってしまいます。私はこのスタジオを作った時、実験的な芝居を上演したいと考えていました。ようやく今公演でそれが実現できました。あらゆる垣根を壊したいという欲求が止みがたく私にはあります。芝居でいえば、芝居が舞台の上だけで完結するのは、私は嫌なのです。言い方は不穏になりますが、お客さんを観るだけの人という安全な立場に置いておくのが私は嫌なのです。東京ディズニーランドやUSJのような仕掛けを芝居で作りたい。どうやったら作れるのか。そう考え、作ったのがこの公演です。役者は街に立ちます。観客の皆さんは芝居を観終わった後、街に飛び出し、役者を探し、役者に話しかけます。役者は観客のすぐ目の前で、手を伸ばせば触れられる距離で観客のみなさんに話しかけます。70年代に街頭劇という形態がありました。今回の芝居公演は、謎解きプラス街頭劇という仕掛けを用いています。それはすべて、先に書いたようにあらゆる垣根を壊したいという、壊して芝居の可能性を再認識したいという私のやみがたい欲求から生まれたものです。観客の皆様は、ほかでは味わえない観劇体験が、きっとできます。多くの方に観に来ていただきたい理由の二つ目です。

3 NPO創立10周年記念公演の意味合いがある点

 今回の芝居は、ペンデュラムという劇団の芝居です。私は作、構成、演出を担当していますが、私はあくまで雇われて作品を創らせていただいている立場です。ですが、私にとっては、今年はCAワークスというNPOを設立してから10年目の年に当たっており、“10年分の集大成””という気持ちで、私はこの作品を作りました。社会教育系のNPOは、福祉や介護のNPOと違って経営がとても厳しいのです。よくぞ10年続けてこられたものだと感無量です。そうして、係わってくださった皆様方に感謝の気持ちでいっぱいです。10年分の思いを込めて、10年分の知見を形にしたのが、本公演なのです。これまで係わってきた皆様には感謝の意を込めて、是非とも足を運んでいただきたい。これが3つ目の理由です。

公演まであと1日。まだ満席にはなっていません。このブログをお読みの皆様、重ねてお願いです。どうぞ、CAワークス一宮スタジオ足を運んでください。CAワークス公式ホームページから予約できます。私も会場におります。ブログ見てきたよ、なんて声を掛けられたらどれほど有難いことか。そんな場面を夢見て、今夜から突貫工事で準備にかかります。この土日、CAワークス一宮スタジオでお会いできるのを楽しみにしています。