GWの谷間
オレの勤めている学校のある刈谷市は、トヨタ系の工場が山ほどあって、世間で言うところの〝トヨタカレンダー〟に従って動いているので、GWは道がスイスイで、普段の2/3位の時間で通勤ができてしまう。
今年のGWの谷間の日には、卒業生が随分と遊びに来た。今年の春に卒業した生徒だけじゃなくって、いろんなヤツが来てくれたな。中退したヤツも来た。なんなら20年(!)前の生徒も遊びに来た。ヒマで、なつかしくなって、ついフラフラと遊びに来る。全然OKだよ。どんどん来いよ。でも、できるなら連絡してから来てくれるとありがたいな。世間はGWかもしれないけど、学校はGWじゃなくて、オレだって一応授業とかあるからさ。
来れるヤツはいいよね。なんとかして生き延びてるわけだから。いや、なんとかどころじゃないな。来たヤツはみんなしっかりやってるよ。儲けの多寡はもちろんあるよ。でもそんなこたあ問題じゃなくって、何て言うかなあ、自分の生活を自分で支えているって感じ?やらなきゃいけないことを逃げずにやってる感じ?遊びに来たヤツからはそういうのをヒシヒシと感じたな。すげえなオマエら。世知辛い世の中で「自分」っていう金看板背負って、ちゃんと生き延びてんだな、って素直に尊敬してしまう。
遊びに来た卒業生や中退生とは、別になにするわけでもない。ちょっとの時間、馬鹿話するだけだよ。それだけでもオレにとっては懐かしいし、少なくとも仕事の話をしてるよりはうんと楽しい時間だよ。でもなあ、馬鹿話しながらオレはついつい思っちゃうんだ。学校に顔を出したくても出せないヤツ、きっといるんだろうなって。実際いるんだよ、そういうヤツ。仕事を早々に辞めちゃったとか、また引きこもっちゃったとかさ。
考えてみりゃあ、オレ自身は幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、卒業してから再訪したことが一度もないんだ。終わったらそれまでよって感じで、古い服をポイと脱ぎ捨てるみたいにしてやってきちまった。会いたい先生や懐かしくなるような友だちを作れなかったからかもしれないし、オレ自身の嗜好に依るところも大きいんだろうけど、遊びに来てくれる卒業生や中退生を見てると、オレってなんか酷薄な人間な気がするね。
いいんだよ、オレみたいな性格で卒業した学校なんか見向きもしないんだったら。そうじゃなくってさ、さっき書いたみたいな感じで来たくても来れないヤツがいると想像するとたまらない気分になる。高校の時が一番楽しかった、一番アクティブだった、人生のピークだった、なんていうのはダメだ。絶対にダメだよ。

