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あなたに褒められたくて

今週火曜日の朝、夢に父親が出てきた。 遺体の安置所のような場所におれはいた。目の前には父親の兄(おれの伯父さん)の遺体が横たわっている。白装束で、真っ白な布団が胸まで掛けられている。伯父さんの左の頬には老人性の大きな染み […]

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手紙(承前4)

 父の文箱に入っていた手紙をやっと判読し終えた。鉛筆の字は時が経つと薄くなり、ほとんど読めなくなる。夜なべ仕事に少しずつ解読していった。シンドい作業だった。 その後の父親(手紙の中の「坊ちゃん」)について記しておく。岡崎 […]

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手紙(承前3)

手紙を書き出してから、もう随分と経ってしまいました。ちょっとずつしか書けないのです。字を書くことはもともと苦手ですし、働きづめに働いて、毎日ほんの少ししか好きに使える間がないのです。でも今日こそちゃんと書きたいことを書い […]

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手紙(承前2)

 坊ちゃん。  坊ちゃんは善良すぎます。人を信じすぎです。そうして坊ちゃんは頭でっかちです。  本当のことを教えてさしあげます。   7月18日に私はこの街にやってきまました。置屋さんに住み込むことになったのです。身売り […]

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手紙(承前)

 国民小学校4年生の夏からお店でお世話になっていました。 お父ちゃんに連れられてはじめてお店の座敷に通された時、世の中にはお金持ちっているんだなあって。岡崎でも指折りの造り酒屋だから、当たり前と言えば当たり前なんだけど、 […]

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手紙

『坊ちゃん。 突然手紙を差し上げる無礼をお許しください。どうしても差し上げなければ気が済まないのです。下手くそな字ですいません。下手くそな文ですいません。手紙など書いたことがないのです。でもどうしても書かないではいられま […]

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  演劇トレーニングジム

 この文章は6月11日日曜日の午前中に描いています。 昨日は、一宮スタジオで演劇トレーニングジムをやりました。 やる前、おれはいつも震えています。おれの前を務める清水万鳳さんの、からだを動かすメニューを見ながら、おれは自 […]

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「世界の果てまで連れてって」を書き直してみた。或いは芸術についての一考察

「母は業の深い人間であった。 欲しいと思うと何をしてでも手に入れた。タンスには毛皮のコートがびっしり収まっていた。冷凍庫の中は高級お取り寄せ品が溢れていた。そうして、カードローン会社に多額の借金があった。 晩年は歩けなく […]

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世界の果てまで連れてって

母親のことを書きたいんだけど、うまくまとまらないんだな。あれかね、まだ、うまく整理ができないのかね。でももう2年だよ、死んでから。そろそろ整理できないと。 そういえば、母親が寝たきりだった1年半の間、介護士さんが毎日つけ […]

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この人から受け継ぐもの

父は正真正銘のディレッタントだった。 眼鏡は本鼈甲、時計はロレックス、スーツはすべてオーダーメイド。本には金を惜しまなかった。家中の壁という壁が本で埋め尽くされていた。 家ではパイプを燻らした。珈琲を好んで飲んだ。豆にも […]

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