照明、音響の力は侮れん!感動した!
11月の18日(土)、19日(日)に芝居をやる。と言っても普通の芝居じゃあないよ。芝居と謎解きのコラボだ。あ、これ前回も宣伝したっけ。
今日は10月29日の日曜日で、昨日は芝居の照明担当者、音響担当者と打ち合わせをした。おれね、長いこと芝居作ってるんだけど、実は照明も音響も操作できないのよ。大道具も自分じゃあ作れないし。おれができることといったら、台本書いて、演出するだけ。役者なんてとんでもない。絶対できないよ。でね、昨日、おれは大変感動したのよ。照明やってくれる人も、音響の人ももう何回かいっしょに芝居作ってるから、おれとしちゃあすごくしゃべりやすいし、信頼もしてる人たちなんだけど、おれがイメージを伝えたら、さっとイメージどおりの照明を作ってくれるわけさ。ほら、さっきも書いたけど、おれ、テクニカルなことさっぱりわからんわけ。自分のイメージがその場で形になって目の前に現れるって、そりゃあ感動だよ。おれは高校演劇で3回全国大会に行ってる。おれ、芝居は人間を見せるもんだって固く信じてるから、全国大会行った芝居でも、難しい照明も、音響も、セットもなんもなしだった。削いで削いで、その芝居を象徴的に表す最小限の照明や音楽、セットしか使わなかった。(ていうか、知識がなくて難しいことはできなかったし、考えもつかなかった)。まあ、それでもずっと勝ってきたし、それがおれの芝居だよなんて開き直ってやってきたけど、そうはいってもね、目の前であれだけ鮮やかに自分のイメージを照明で表してもらえると、やっぱり感動しちゃうもんだよ。さすがだな、プロだな、って思った。
今度の芝居はね、昭和20年終戦直後のある日、時刻は真夜中。場所は神社のお堂の中って感じなわけさ。音楽がフェードインで入って、照明がすうっと点いて、そこに役者さんがいると・・・なんにもない空間が突然別世界になっちゃうんだ。それ、奇跡って言わないでなんて言ったらいいんだ?演劇は集団創作だ。おれがやっているのは強いイメージを作り上げて、そのイメージを係わるすべての人に的確に伝えるだけ。後は係わる人間がそれぞれの持ち場で力を尽くして、おれの脳内のイメージを現前させてくれるんだ。すごくないか?有難い限りだよ。
削いで削いで芝居を作ってきたおれだが、このごろじゃあ、いろんな人の力を結集して、豊饒な世界を作るのもいいなと思い始めている。ときに煮詰まることもあるが、昨日みたいな瞬間を経験すると、芝居作るのもやめられないなと思ってしまう。チケットはまだまだ売るほどある。何もない空間が別世界になる奇跡を、みんな観に来てくれ。