昔の同僚とご飯を食べました。いろいろ考えました。

いやあ、一宮スタジオ演劇部、人が集まらんで困りましたなあ、と頭の片隅にはずっとあるんだが、人間そればっかりに集中して悩んでいるわけにはいかない。仕事にもいかないかん、ご飯だって食べないかん、ゴミ出しや掃除だって、なんなら人付き合いかてしないかん。悩みがあれば頭の中も行動もそれ一色になれた子供の頃が懐かしいとか思いながら、でもこどもの頃には戻れるはずもなく、なんとか60間際の生を生きるしかない。

金曜の夜のこと。前の前の学校の先生たちと会って、ごはんを食べた。みんな退職していて、現役で仕事しているのは私だけで、ということはそのメンバーの中では私は最年少で、いやあ、最年少扱いをされる場ってこの頃なかったから、嬉しかったこと嬉しかったこと。それだけでも行った甲斐があったというものであった。

80代から60代まで、みんなそれぞれ元気で、それぞれその先生(あ、もう先生じゃないな、みんな。でも先生って呼んじゃうんだよなあ)らしい暮らしをしていて、大変良かった。盛り上がるのはやっぱり昔話で、あんなこともあった、こんなとこに行った、楽しかったねえ、大変だったねえ、そうだあの人どうしてるかしらん。年寄りは集まっては昔話ばかりしていて、みっともねえなあと若い頃のオレは思っていたが、なんのことはない、それしか共通の話題がないし、それが一番罪のない話題だから。いざ自分が年寄りになってみると、そういう話題、ほんとしっくりくるんだと発見した。

ああやって会える人はいい。無事に生きてる証拠だから。おかしくなっちゃって会えない人や、死んじゃって会えない人や、会うのが怖くて会えない人や、そういう人も長く生きてりゃあ、いくたりもいる。会って、昔を懐かしんで、話ができる相手がいるだけで僥倖だ。

酔っぱらった63になる先生が、兵藤さん、40代で通用するわ、とへべれけになりながら、言ってくれたのも嬉しかったねえ。言った本人は絶対に覚えてないだろうけど。でもさ、若い頃は年よりは立派に見えたもんだが、実際ああいう年寄りの集まりに出て見ても、自分のことを省みても、年寄りなんか全然リッパじゃあないね。みんな、若い頃のままで、未熟で、ただ、髪の毛が白髪になって、ややふっくらとして、やや顔がたるんで、本来持っていた気質みたいなもんが、露骨に出るようになっただけで、そんなにいっしょに勤めていた頃と変わってなかったもんなあ。すげえなあ、人間って。進歩しないんだなあ。ま、ちっとも変ってないから、会ってすぐにいっしょに勤めてた頃にすんなり戻れるんだろうね。

いや、それにしても、最年少で、子ども扱いされるのは、本当に新鮮で嬉しかったなあ。あんまり嬉しかったから2度書いとくよ。

さて、と頭の片隅から、一宮スタジオ演劇部がむくむくと意識に昇ってきた。いよいよ今週水曜日スタートだ。まだ申し込んでない人、申し込みを急いで。4月3日水曜日。19時に一宮スタジオ3階、シアターで待っています。