ダメな男(ひと)ね・・・

今日は9月27日だから、名作『帰郷』の公演まであと2週間を残すばかりとなった。オレは謙虚な人柄だから、自分の書いたものを名作だなどと言ったことはないが、今度の芝居はマジで名作だ。密度がムッチリしてる。仕掛けもたっぷりある。愛知はチケットの動き始めが遅い。この2週間が勝負だ。HPも、芝居の宣伝が目立つようにリニューアルしてもらった。みなさん、観に来てください。

昨晩遅く制作のK村に電話したら、私にお馴染みの呼吸音が電話口から聞こえた。『喘息か?』オレが訊くと、『季節の変わり目になるとね』K村は言った。ヒュウーヒュウ―という息の音が混ざって、言葉に全く力がない。やばくないか?今倒れられたら、公演できんぞ。なんせK村は、今回の芝居の特殊仕込みと会場の設営を一手に引き受けてやっているのだ。『お互いトシなんだから、無理しちゃダメだぞ』オレは優しい言葉を掛けた。あんまり人に優しくしないオレだが、自分も喘息だからマジで心配になった。

オレも昨日から歯が痛い。人間、どっかこっか弱いところがあって、ストレスや疲労がたまるとそこに出る。オレの場合は、喘息と歯だ。懇意にしていて大好きな歯医者がいるのだが、学校の仕事で平日はつぶれ、土日はずっと芝居の稽古やらワークショップが入っていて、診てもらいに行くこともできない。鎮痛剤をバリバリと噛み砕いて、その場しのぎをしているが、オレも大概疲れている。

そんな状態でも、K村もオレも、芝居を止めない。手を抜かない。何故か?何故だろうね。芝居作っていると生きてる感じがするからなんだろうね、たぶん。ヒリヒリする感じって言った方がいいかな。後に何も置いてこないで燃焼している感じ?ちょっとカッコよすぎるな。まあ、そんな感じを味わいたいから、身体を、精神を酷使しているんだと思う。

なんだよなんだよ。なんも考えないで書いていたら、オレやK村は、今度の芝居の主人公といっしょじゃねえか。これって、作り手のオレら自身の芝居だったんだな。なある。