心に届く朗読サークル、解散!

この頃便所くんの話を続けて書いていたが、今日は、これを書かないと気が済まないので、便所くんは次週に持ち越す。

今日は、オレが10年以上係わった、「心に届く朗読サークル」の解散公演があった。

10年やれば10歳トシを取る。会員さんもみんな、10歳、トシを取った。病気、ボケ、家族の介護・・・。10年の間にはいろんなことが起こる。

みんな、ようがんばったね。オレも、ようがんばったね。10年は長いよ。ホント、よう頑張って続けた。、

もうこれで、半田に教えに行くこともないし、会員さんたちと会うこともない。本当に寂しい。

思い出すことは山ほどある。どれもこれも、会員のみんなに世話になった思い出ばかりだ。

オレが母親の介護でシンドかった時、よく愚痴を聞いてもらった。

練習の日には、学校の仕事が終わってから直接半田に出向く。晩メシなんて途中で食べてる暇はない。そんなオレのために、晩ご飯を替わりばんこで作って持ってきてくれた。

しんみりしそうな気持を奮い起こして、オレはこの10年間の発表会と同じく、司会進行の役を今日も務めた。

でもね。実はオレ、今日のみんなを見て、ああ、もう潮時かもしれんとも思ったんだよ。

みんなさ、開演前に、自分が読む朗読台本、チェックしたりした?口がよく回るよう、声は出さないまでも、口パクで読んだりした?オレはずっと司会席からみんなの様子を見てた。誰一人、台本チェックなんかしてなかったよ。

覚えてる?10年前、初めて発表会をやった日のこと。みんな、自分の出番ギリギリまで、朗読台本チェックしてたよ。

そうでなくっちゃ、ってオレは思う。そんだけの不安や緊張や努力があってこそ、ようやく人前に立てるんだって。

あの日、自分の出番を待ちながらガタガタ震えてるみんなは、ムチャクャ良かった。カッコよかったよ。

で、オレは、今日のみんなを見て思ったわけさ。あの頃に比べて、みんな人前でパフォーマンスすることの不安も喜びも薄れてしまってるんじゃないの~ってね。

無料公演だからとか、趣味のサークルだからとか、お客が少ないからとか、そんなの言い訳にならないよ。だって、人様の限りある時間を奪って、堅い椅子に腰かけさせて、自分のパフォーマンスを見せているわけだから。時間を奪うだけの、堅い椅子に腰かけさせ続けるだけの努力をしなきゃ、お客さんに申し訳がたたないじゃん?

努力しなきゃ緊張しない。緊張しなきゃ不安も喜びもない。

オレは会員のみんなのことが大好きで、本当に世話になったって感謝してるけど、今日のみんなのモノづくりの姿勢はいただけなかったよ。

モノづくりで一番大事なこと。それがしっかりできなくなったら・・・やっぱり潮時なのかもしれんな。

これ、会員のみんなにだけ言ってるわけじゃないから。一番は、オレ自身に向かって言ってる言葉だからね。