この1週間の振り返り。いろんなことがあって、いろんな思いを抱くんだよなあ、ということ。
お誕生日から1週間経った。トシが一つ増えたからとて、劇的に何かが変わるわけはない。日々起きることに闇雲に対応して、なんとかその日その日を過ごすうちに、あれよあれよと1週間が経った感じだ。
そういやあ、この1週間は右の膝が痛かった。オレはカッコつけだから、歯を食いしばってでも、人前では何ともない顔をしてスタスタ歩いてしまう。が、人が見ていないところでは、てきめん足を引きずり、ヨタヨタ、よちよち歩いて1日1日をしのいでいた。このままじゃやばい。でも、医者は怖くてよう行かん。仕方ない。自分で何とかケアしないと。そう思ったオレは、アレクサンダーテクニークに頼った。正しく立つこと、歩くときに1歩1歩重心の移動を意識すること。誰も観ていない場所で、筋肉の動きレベルまで意識して、極くゆっくり歩く練習もしてみた。それに加えて、極力足に負担をかけずに休むことを心掛けた。湿布、塗り薬もマメにつけた。オレは通勤するのに片道1時間半運転しないといけない。アクセルとブレーキの踏みかえで疲れるのか、1日働いたあとの帰り道では疲れ果てていて、途中のコンビニで仮眠を取って休んで、ようやく家までたどり着くという日が続いた。今日になって歩いても痛みを感じなくなった。まだおっかなびっくりだが、普通に歩けるようになった。からだをケアしないといけない程度にはトシをとったんだな、オレも。
あ、それから金曜日には中日新聞朝刊教育面に5段抜きで、リベラルアーツ国語の授業が紹介された。オレの写真も載ったよ。まあまあカッコよく写っていて満足している。今回の記事は手放しで嬉しい。本当に嬉しい。選択科目として演劇表現の授業を始めたのが2006年。今年4月から始めたリベラルアーツ国語は3、4年生全員がクラス単位で受ける科目だ。刈谷東に在籍するすべての生徒が、リベラルアーツ国語という、演劇的な手法を援用した授業を全員受講するところまでオレはやっとこぎつけたのだ。今年は2024年だから、ここまでくるのに、演劇表現の授業スタートから18年かかった。こんな学校、他にないぞ。普通科で、在校生の全員が演劇的な授業を受ける学校なんてさ。中日新聞の発行部数は250万部だ。250万人がオレのリベ国の記事を目にしている計算になる。人の興味はいろいろだから、目もくれない人もいるし、「ふうん」くらいしか思わない人もたくさんいるだろう。が、オレにとっては、この記事は大変おめでたい、ある種の達成を世間に見せつけたたものなのだ。この18年間、オレと深く係わってくれた何人かの人は、オレがどれだけの思いで演劇の授業を続けてきたか、リベ国に対してどれほどの思い入れがあるか、ちゃあんとわかってくれているにちがいない。そんな一握りの人にわかってもらって、共に喜んでもらえれば、それでオレは満足だ。オレがこの18年間感じ続けてきたのは、単騎のさみしさ、心細さなんだろう。ほんの数人でいい。オレのさみしさ、心細さを分かってくれる人がいるといいんだけど。
返す返す残念なのは、お父さんにも、お母さんにも、この記事を見せることができないことだ。そして二人に「ようがんばったな」と褒めてもらえないことだ。お父さんが生きていたら、きっと日記に書いて、新聞のコピーをとって、きちんと保管しておいてくれただろう。お母さんが生きていたら、何部何部も新聞を買って、知り合いに配って回ってくれただろう(実際、最初の本を出した時、母親はそうやってくれた)。ほら、まただ。また、オレは、ホントに見てほしい人、手放しで喜んで褒めてもらいたい人に見せることができなかった。