部員が消えてゆく。大会直前だ。
高校演劇の大会本番が近い。やっと台本ができた。『スローバラード』(『便所くん4』刈谷東 部活動バージョン)という長ったらしい、言い訳がましいタイトルになった。こんなタイトルになった理由はひとつ前のブログに書いた。良かったら読んでほしい。それにしても、いいわけがましいタイトルだ。こんなタイトルつけるなら、いっそやらなきゃいいのに・・・。なんだろうね。未練なんだろうか。それとも意地だろうか。たぶん、意地だな。定時制高校でずっと全日制の演劇の大会に出続け、全国大会まで進んだ(しかも3度も!)学校は、ウチ以外にはない。高校演劇の変質、部活動というもの自体の変容とそれに伴う部員の意識の変化等々・・・シンドい条件は多々あるが、そんなもんの前に膝を屈してたまるか。そう、意地だけだな。
でもね、部員が一人二人といなくなってゆくのは、ホント、キツいですわ。本番前でも(本人なりの苦悩はきっとあると思うが)、辞めて行ってしまうんだよ。
残った部員は、上演したいと願えば、地獄を見る。ホントに上演できるのだろうか。心細い思いを抱えながら、替わりの役者を探し、運よく「やってもいいよ」と言ってくれる生徒が見つかれば、気を遣いながらイチからその役の練習をさせて、なんとか本番に間に合わせなければならない。ここは賽の河原か?賽の河原、知ってる?死んだ子供が行くと言われる三途の川の河原だよ。子どもは父母の供養のために小石を積み上げて塔を作るんだって。もうちょっとで完成だ~ってところまでくると、鬼がやってきて、ガラガラガッシャ~ン!って塔を壊しちゃうわけさ。で、子供はまた最初から石を積み直す・・・。うん、ぴったりだ。ウチの部活は賽の河原だ。部員がいなくなるたびに、いる人数に合わせて、オレ、今度の台本は4回書き直したもんね。4回だぞ、4回。そのわりに、何回書き直しても、ありがたいねえとか、誰も言ってくれない(心の中では思ってくれてるかもしれないけど・・・いや、なんで書き直してるかわかってないかもしれない。オレの趣味だと思ってるかもしれしれない)。だから・・・まあ、オレの意地みたいなもんだよ、やっぱり。でもさ、この状況(本番直前でも部員が辞めちゃうって状況ね)は、何も今年に始まったことじゃあないんだ。ほぼ毎年のように繰り返されてきたことなんだよ。毎年そうだからってやっぱり慣れないよ。毎年、困り果てるし、悲しくなる。なのに作り続けるのは・・・やっぱ、意地だな。
他の学校の演劇部もそうなのかな?直前で役者が、部員が消えて行って、その度にキャストや台本をなんとか都合つけるって苦労、どこの学校もしてるのか?オレは、長くやっているわりに顧問の先生の中に友だちがいないから、誰に訊くこともできないけどさ。
このまま無事に上演できることを、まずは祈っている。今回のブログは完全な愚痴でした。愚痴は聞いて楽しいもんではない。申し訳ない。でも、毒にも薬にもならんことを書いたものよりは、はるかにマシだろ?町田康がどっかで書いてた。エッセイが面白くないのは、ついカッコつけちゃうからだ、ホンネが書けないからだって。オレ、だいぶホンネが書けるようになったな。