公演のお礼。「生き生きストレッチ講座」へのお誘い。

まずはお礼。5月11日・12日の春のCAワークス公演『悲劇VS喜劇』が無事終わった。来てくださった皆様、本当にありがとう。

面白かった?芝居の出来だけ言えば、1公演目より2公演目の方が良かったです。1公演目を観に来てくださった方が、だから損したというわけではなくって、初演時の不安定な感じというか、ドキドキ感というか、そういう生々しい感じは1公演目の方が当然あったわけで、それはそれでレアなものを観たと思ってくれるとありがたいな。なんせ、演劇は生ものだからね。役者もスタッフも生きた人間だから、何度も同じことがロボットのようにできるわけじゃない。まったく同じクオリティーのものが観たいというのであればDVDを観た方がいい。舞台体験というのは、1回性を愛でるということだと、オレは思っている。正しい観劇の在り方って、複数回同じ舞台を観て、違いを楽しむことなんだろうね。「2回目はまとまりすぎなんじゃないかなあ。1回目のほうが、雑だったけど、役者のナマの息遣いって言うかな、そういうのが感じられてさ、ボクは好感が持てたなあ」なんて言われたら、役者冥利、演出冥利に尽きるというもんだ。

2日目の朝、1日目の反省を生かして、オレは演出を変えた。役者は、頭をからだをフル回転させて、喰らいついた。同じ台本でも解釈とその表現の仕方で、お客さんに与える印象はずいぶん違うんだ。CAワークスの役者と演出家、スタッフは、だから上演作品をブラッシュアップさせる作業に公演中も毎日いそしむんだ。同じオモチャを飽きもせず、ああでもないこうでもないといじりまわしている子どもみたいだと、自分たちのことを思ったりするよ。

初演時に完成させて、あとはまったく触らないという演出家がいることも知ってる。演出をコロコロ変えられるのを嫌がる役者がたくさんいるのも知っている。でも、オレは演出を変える。変え続ける。なんなら開演5分前まで変える。いいものになると思えば、演出を変えることに躊躇はない。お客が満足してくれるなら、ギリギリまで変えてゆくのが誠実な態度だと思うさ。役者にしてもだ、たとえば10ステージやるとしたら、途中でなにか刺激を加えなければ、役に慣れて飽きちゃうんじゃないのかなあ。役に慣れてしまえば、生々しさが消える。ナマな感じこそ舞台芸術の生命線だと考えるならば、それこそほんのちょっとした違いだけでも敢えて各回ごとに作っていかないといかんのじゃないのかなあ。オレが演出に手を入れ続けるのはそういう理由だ。だからね、ウチの芝居は、同じ芝居を何回観に来てもらっても毎回違うから。毎回違う印象を与えるように作ってるから。だからこれからもどうぞどうぞご贔屓に。こんなふうに考えているオレが演出をいじるのをやめた時は、もうその芝居に飽きたか、芝居を作ることに飽きたか、もっと言えば、お客に誠実であろうとしなくなったか、そのどれかだと、自分で思っている。そんな不誠実な態度でなんで金が取れる?なんで客が呼べる?なんで頑張ってチケットを売れる?もし演出をいじる気がなくなったとしたら、オレは潔く芝居をやるのをやめようと心に決めているんだよ。

ついついお礼が長くなってしまった。もう一つ。長くなったけどもうちょい続けるよ。この土曜日からCAワークス一宮スタジオ新企画「生き生きストレッチ講座」というのをスタートさせた。演劇トレーニングジムのある日の、ジムが終わってからの30分間。時間で言うと11時30分から12時までが開講時間だ。対象はズバリ、シニア層。軽ーいストレッチをやる。女優の清水万鳳が講師を務めてくれる。参加費は500円/回。実は土曜日にオレ自身、受講生になってやってみた。勿論、受講料500円はちゃんと払った。いやあ、なかなかいいよ。年行った人に合せてゆるーくやってくれるから。年取るとさ、からだ固まるでしょ?オレ、このごろになってようやくその「固まる」って感じが実感できたんだ。で、これはヤバいぞ、って。だからまずは主催者のオレが、身を持って体験してみたわけだ。ほんの軽いストレッチだけど、いかにも固まりそうな部分、しかもここが動かなくなってくると生活に支障が出て来るぞって言う部分を、負荷がかかり過ぎないように加減しながら、楽しく(これ大事なこと!楽しくないやろうと思えない。年を取ると人間、あけすけになって、わがままになるからね)指導してくれる。さすがだぜ、清水。うまいもんだ!と思った。

どうせ家で一人でなんてできないよ。せめて月2回、30分。しかも友達とか、友達じゃなくてもおんなじくらいの年取った人といっしょなら、やれるんじゃないかなあ、続けられるんじゃないかなあ。たった月2回だけど、全く動かさないより、動かした方がいい、ほぐした方がいい。やってみて、そう実感した次第だ。

シニアの皆さん、どうです?オレも毎回参加するよ。みなさんも、オレといっしょに「生き生きストレッチ」やりましょう。